今日のドラマはアメリカン

海外のTVドラマを楽しむブログ

American Gods (2001) アメリカン・ゴッズ

アメリカでは今、どうやら神でさえも住みにくい世の中らしい。

テレビドラマ化が決まっていて、2017年に放送されるらしいので(Amazonで配信されるようです)、とりあえずどんな話なのか興味があったので読んでみた。

上下巻の長編で、ひとことでいうと、新旧の神々が権力争いをする話かな。オトナのファンタジーだけど、風刺あり、ミステリーありで面白かった。

作者のニール・ゲイマンPrincess Mononoke(北米版もののけ姫)の脚本を書いた人。

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必読ポイントをあえて選ぶとすれば、上下巻で1箇所ずつ。

【上】イギリスのコーンウォール地方で食べられているパスティを、シャドウが初めて食べた時に、母親から言われた言葉を思い出すシーン。

お腹にたまるものはね、わき腹にもたまるものよ。

【下】シャドウが唯一信頼できると見極めた人間の女の子サムから真実を教えてほしいと言われる。本当のことを言っても簡単には信じてもらえないと言った時に、サムがシャドウに言った言葉。

あたしはね、なんだって信じられるの。あんた全然わかってないでしょ、私がどれだけのことを信じられるか。あたしはほんとうのことも信じられるし、ほんとうじゃないことも信じられる。ほんとうなのか嘘なのか、だれもわからないようなことだって信じられる。

・・・略・・・

そして、あたしは信じてる。人生はゲームであり、残酷なジョークであり、生きている間に自分の身に起こること。だからゆったり構えて、楽しんだほうがいい

と、ここは3ページに渡る長台詞なんだけど、ここが一番面白かった!

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とにかく神がたくさん出てくるので、翻訳した人は大変だったろうな。読みながらも全てを把握しきれないけど、古来から八百万の神とうまくやってきた日本人には受け入れやすい話だと思う。よく日本人は信仰がないというけれど、むしろ逆な気がするね。すべての神の存在を尊重しているからこそ、一つに絞れないだけ。そして、神々と人間が付かず離れず、いい距離感で共存しているのは平和を愛する国民性のなせる技。

ジリアンが演じるのはメディアという、現代チームの神の一人。原作では、後半に姿を表すんだけど、ドラマの中ではどんな風に描かれるのか楽しみ。

Amazonで観る

アメリカン・ゴッズ(上) アメリカン・ゴッズ(下) American Gods